Chewin' Mag.

食を知り、世の中を知る 食メディア

<管理栄養士監修>おしえて!栄養ABC
季節の「旬」を楽しもう!

<管理栄養士監修>おしえて!栄養ABC

季節に合わせて、管理栄養士の仲渡が食についてご紹介します。「意外と知らない栄養素」のことや「話題の食材や調理法」など、食べ物の気になるあれこれを専門的な視点からわかりやすく解説します。

季節の「旬」を楽しもう!

こんにちは、管理栄養士の仲渡です。

四季のある日本には、お正月にお雑煮を食べるような行事食のほか、その時季の食材をいただく「旬」の楽しみがありますね。「春には筍ごはん」など、ご家庭によって毎年の恒例メニューもあるのではないでしょうか。今回は、そんな食材の「旬」についてお話ししていきます。

そもそも「旬」の定義ってなに?

「旬」とは、ある特定の食材について他の時期よりも新鮮でおいしく食べられる時期のことをいいます。

収穫が盛んになるので市場にもよく出回るようになり値段も安くなり、わたしたち消費者にとっても嬉しい時期です。

スーパー

昔から楽しまれている「旬」

「旬」を楽しめるのは、四季がある日本ならでは。古来より親しまれてきた風習でもあります。旬は大きく分けて、3つに区切って呼ばれることがあるのをご存じでしょうか?

旬の時期は“出盛り期”とも呼ばれ、旬真っただ中のものを「さかり」、旬に入りたてを「はしり」、旬の終わりごろを「なごり」とも呼ぶことがあります。ちなみに旬を先取りする「はしり」の食材は、初もの好きの江戸っ子から好まれていたとか。

また日本料理では同じ時期に旬を迎える食材同士で、相性のよい組み合わせを「出会いもの」と呼びます。たとえば春なら「竹の子と新わかめ」、冬なら「ブリと大根」のように、季節の定番メニューといえるものが並びます。

ハウス栽培などによって一年を通してさまざまな野菜が手に入るようになった今の時代、改めて「旬」を意識することで、季節を感じたり会話のきっかけになったりと、いつもの食卓をちょっと豊かに演出してくれます。

旬の食卓

「旬」の食材は栄養価も高い!

さて突然ですが、ここで旬野菜の特長を表すグラフ(※)をご用意しました。

下のグラフは「ほうれんそう」に含まれる栄養素のひとつ、ビタミンCの量を比較しています。左が夏のほうれん草(夏採り)、右が冬のほうれん草(冬採り)です。

※グラフは「五訂増補日本食品標準成分表 日本食品標準成分表2010」掲載数値より作成

冬が旬の「ほうれんそう」は、右側の“冬採り”の方がビタミンCを3倍多く含んでいることがわかります。この数値は、栄養士のバイブルともいえる「食品成分表」(左記は略称、正式名称は「五訂増補日本食品標準成分表 日本食品標準成分表2010」)に掲載されているものです。

野菜や果物は、「旬」の時季の方が本来の適した環境下で成長できるので、実は栄養価が優れていることが多いのです。ちなみに「生」と「ゆで」でビタミンCの量が変わるのは、調理法によって栄養素の流出があるため。こちらはまた、別の機会に詳しくご紹介します。

「旬」がおいしいのはなぜ?

「旬」の食材をいただくと無条件に「おいしい!」と感じたり、幸せな気持ちになったりしませんか?さいごに、「旬」と人の体の関係についてふれていきます。

ふきのとう春に旬を迎える山菜・菜の花・アスパラガスなどは、「芽吹き野菜」と呼ばれます。独特の香りやほろ苦さをいただくと、春がきたなあと感じさせてくれますね。

この類の野菜には、胃や腸の働きを目覚めさせ、体の新陳代謝を活発にしてくれる働きがあります。寒い冬から目覚めようとするわたしたちの体を、中からサポートしてくれるのですね。
夏野菜夏になるとトマト・キュウリ・スイカなど、水分が多くみずみずしいものが旬を迎えます。

この類の野菜にはカリウムが多く含まれるので、体にこもった熱を外に放出して体温を下げる役目を果たしてくれます。暑い時期は食欲もダウンしがちなので、さっぱりとした食味も夏を乗り切るために大切なポイントです。

やきいも秋になると芋・栗や、脂ののったサバなどが旬。

夏の暑さで疲労した体を回復させるとともに、エネルギーをチャージして冬支度を始める栄養素を多く含みます。さらに冬の旬は、ニンジン・大根・ゴボウなどの根菜類がメイン。糖質やビタミン類も多い根菜類は、熱生産でエネルギーを使う寒い時期こそうれしい食材。体にカロリーを蓄え、免疫力を上げる効果も期待できます。

春夏秋冬で代表的な「旬」の食材を見ていただくと、それぞれの季節環境のもとで過ごす体にとって、必要な役割をもった食材がそろっています。「旬」のものは、その季節に体が欲する栄養素や機能をもっている食材なので、わたしたちは自然と「おいしい!」と感じたり、食べたくなったりするのです。

「旬」の食材を食べて、四季を楽しもう!

ここまでご覧いただいたように、旬の食材は、「価格が安い」「栄養価が優れている」「季節ごとに体の調子を整えてくれる」など、いいこと尽くし。
なによりもその時季に人間の体が欲する食材なので、「おいしい!」と感じるということもポイントです。いろいろな野菜が一年中手に入るようになった便利なこの時代。改めて「旬」を意識して、気持ちから豊かな食生活に変えてみませんか?

「1月の旬食材」はこちらでご紹介しています!

Return Top