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5日間の研修で未経験者がパン屋を開業できる
“リエゾンプロジェクト”の可能性

「たった5日間の研修で小さなベーカリーを開業できる話題の研修プログラムを公開」というリリースを目にしたもち子です。

パンLOVEな私ですから、一も二もなく面白そう!とプレスツアーに参加することにしました。
しかし同時に「5日間って。未経験者って。いやいやこれ裏があるでしょ…。」と思ってしまいました。
しかしこれが、本当だったのです!というびっくりレポートです。

リエゾンプロジェクトは
ベーカリー開業サポート事業

リエゾンプロジェクトは、パンの製造・販売、プロデュースを行う株式会社おかやま工房の河上祐隆氏があみだした、パン作り未経験者が5日間の研修を経て、小規模ベーカリーを開業する人たちにノウハウと技術・設備・経営の相談にのるなどのサポート事業です。

まずは、河上氏のプロフィールから。

河上祐隆株式会社おかやま工房
代表:河上祐隆(かわかみ つねたか)
創業年月日:1984年8月1日

18歳でパン職人の道を目指し、修行を積んで、22歳で独立。
岡山県岡山市で、家庭的な焼き立てパンを販売し、1日に約1200人が来店する「焼きたてパン広場リエゾン」などを経営。

 

フランチャイズやチェーンストアではなく(←これとても重要)、自宅を改造したり、最低7坪の店舗を借りたりして、小さなパン屋を経営することを目指すもの。大規模経営の店舗は目指していないのです。
機械もこのプロジェクト用に開発された小さめサイズ。

説明してくださる河上氏
説明してくださる河上氏。左手で触れているのが、メーカーと独自開発したミキサー。
業務用にしては とても小さいもの。
コンベクションオーブンとデッキオーブン
熱風を利用して焼く小型のコンベクションオーブンとデッキオーブン。
通常のベーカリーで使うオーブンの天板の半分のサイズなので、力のない方でも扱いやすい。

たった5日間で未経験者が
お店に出せるパンを作れるもの?

リエゾンプロジェクトに参加する方は、50歳以上の、脱サラした男性が圧倒的に多いのだそうです。そして、料理も満足に作ったことのない人がほとんど。

だから、5日間の研修でも、2日目に実技研修で初めてパン生地にさわるときはおっかなびっくりだというから、こちらがびっくりです。でも4日目には、絶対にパン屋を成功させる!という決意をUPさせていると、河上氏は語っていました。いったい5日間で何が起こっているのでしょう…?

5日間の研修で目指すものは
「パン職人」ではない

さすがに、5日間で職人を生み出すのは不可能です。そして、リエゾンプロジェクトでは、未経験者でも同じ品質のパンを作り出せるように、河上氏は何をしたかというと、徹底的に、

「マニュアル化」
「数値化」
「レシピ化」
をはかったのです。

パン生地のやわらかさなど、経験や指先の感覚などはすべて除き、あくまでもそのマニュアルとレシピ通りに、数値が示す通りに作れば、驚くほどおいしいパンができてしまうのです。むしろ、職人を志して修行していた人は、お断りしているというほど。

「国産小麦100%、無添加の生地、焼き立て」。
試食した焼きたてパンが絶品!

さて説明を聞いているうちに、どんどんパンのいい香りがしてきます。実際にリエゾンプロジェクトで作られているパンを試食させていただけるということで…。

まずはクロワッサンがやってきました。
焼き立てですよー! 外側パリッパリだし、中はもっちり、バターの香りがたまらないです。

しかも、
「国産小麦100%、無添加の生地、焼き立て」
です。結構な付加価値がついています。

そう、これがリエゾンプロジェクトの大きな売りなのです。

5日間の研修で作れるようになるパン
5日間の研修で作れるようになるパンはこんな感じ。

常に焼きたてを目指すからこその小規模ベーカリー。そして飽きのこない味であることが必須なのだそうですよ。

勝手なアレンジはできませんが、基本アイテムから派生して150種類ものパンを作ることができるんだそうです。焼き立てをいただきましたが、めちゃくちゃおいしいです!

近所に欲しい~。

パンの需要は増えているのに、
ベーカリーが減っている

河上氏は18歳でパン職人の道を目指し、修行を積んで、22歳で独立をした方。そんな方がなぜ「修行」を積まないベーカリーを開設する支援をしているのでしょう?

河上氏は、部下たちの独立支援などをしてきたものの、その部下たちが出店したベーカリーがどんどん潰れてしまっていること、またフランチャイズ制のおかげで倒産してしまう例が多いことがきっかけだと語ります。

ベーカリーが潰れてしまうのに、パンの需要事態は増え続けているという現実。高齢化で米食が減り、また、病院食としても、消化にすぐれたパンは、需要があり、右肩上がり。職人としては優れていても経営については…という例が多いのが実情。

とある依頼から発展した事業

そんな状況下、某レストランのオーナーから、ベーカリーを併設したいという相談を受けた河上氏。

しかし、その当時は事業で海外にいることが多く、とにかく時間がとれなかったのだそうです。その合間、一週間だけ時間があいたから、その間でできることを…と考えて、やってみたらできた、それがこのプロジェクトをはじめるきっかけとなりました。

そこから、5日間で完成する研修と、7坪からの小さなお店でも使えるサイズの機器の開発。また、このプロジェクト専用の小麦粉の開発まで…。なんと1種類の小麦粉で、すべての商品が作られるというから驚きです。

プロジェクトの店舗が増えていくにつれ、小麦粉の需要も増え、また、たとえば北海道で小麦が不作だった場合に備えて、別の県での栽培も始まっています。

オーナー同士の横のつながりを大切に

さて、どうしたら潰れないベーカリーになるのか。そのために、オーナー同士の横のつながりを大切にしたネットワークを作りたかった、と河上さん。オーナーさんの個性を生かしてほしいため、開店後は全面的なバックアップはしていません。

しかし、経営についての勉強会を年に数回開催し、たとえば売り上げのよいお店に、売り上げがあまり伸びないオーナーさんが勉強に行くなど、皆さん活発に交流しているそうです。しかし、勉強会から足が遠のいている方は、あまり成功していないといいます。

「リエゾン」とはフランス語で「違いを超えてひとつになること」という意味ということで、まさにこうした交流は、「一緒になって夢にチャレンジし、夢を実現し、夢を育てる」という理念にぴったりだと思いました。

チャレンジをした方たちのお店拝見

リエゾンプロジェクト発足から9年、取材時(2017年10月25日時点)ですでに152店舗が開店しており、2018年春までにはさらに50店舗が開店する予定だそうですよ。
各店、オーナーさんの個性がいかんなく発揮された店舗ばかり。

「ぱんや107」

ぱんや107 ぱんや107東京でのサラリーマン生活から一転、ご家族6人で愛媛へ移住し、開店した「ぱんや107」様です。

ご夫婦二人三脚で、2015年のオープン以降、週末には売り切れが続いているのだとか。
オープンまでのインフラ整備の苦労など、興味深い話も。概観もとても素敵!

「まくまくパン」

まくまくパン まくまくパン北海道むかわ町にて、女性お一人で開業されています。

金・土・日の営業のみで、自家製の野菜も販売しており、休みの日に料理教室をやる予定なのだそうです。

開業のきっかけは、ラジオでのリエゾンプロジェクトの宣伝を聞いたことだそうです。のんびりと温もりのある雰囲気が素敵ですね。お店の名前の由来は、以前飼われていた犬の名前から取ったそうです。

 

フランチャイズ店ではないからこそ、店舗には個性があふれ出ています。

ほかにも素敵なお店が紹介されていますから、ぜひホームページを見てみてくださいね。

終わりに

冒頭にも書きましたが、パンLOVEな私ですから、説明を聞いて、試食した時点で心がもう開業したい気分でいっぱいになりました。いや本当に。近所のシャッター商店街をまじまじと見るようになってしまいました…。

実際の作業や、経営などはやはり大変なのでしょうが、地域のくつろぎの場になったり、シャッター商店街は開業チャンスらしいですよ!

リエゾンプロジェクトに関するお問い合わせはこちら

リエゾンプロジェクト岡山ヘッドオフィス
〒700-0023 岡山県岡山市北区駅前町2-5-22-1F
TEL:0120-118-429
FAX:086-234-7266
HP:http://www.liaisonproject.jp/

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