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『東京ぴくるす』
~可愛くて美味しい
お漬物を届けたい~

谷平絵美さんインタビュー

谷平 絵美
谷平 絵美
『東京ぴくるす』運営。福祉の仕事を経て、『東京ぴくるす』を立ち上げる。現在4歳の娘さんのお母さんでもあり、子育ての合間に野菜の買い付けから販売まで一連の作業を一人で行っている。

東京ぴくるす 

【HP】https://tokyo-pickles.stores.jp/
【Instagram】 https://www.instagram.com/tokyopickles/

『東京ぴくるす』~希少な江戸東京野菜の可愛くて美味しいお漬物 の記事にて、江戸東京野菜を使った『東京ぴくるす』についてご紹介しました。野菜の買い付け、仕込み、販売まで一人で運営を切り盛りしている谷平絵美さんにお話を伺ってきました。

福祉の仕事中に見つけた
「練馬だいこん」が江戸東京野菜との出会い

東京ぴくるすを始めたのは、2012年からになりますが、途中に妊娠・出産をはさみましたので、再開したのは2016年からになります。元々は福祉の仕事をしていていたので、畑違いだったのですが…。 福祉の仕事場は(東京の)練馬にありまして。練馬には江戸東京野菜の中でもとても有名な『練馬だいこん』があります。福祉の仕事でイベントに参加した際に、地場野菜を出店しているところで練馬だいこんが売っていました。練馬だいこんは、細長いのが特徴的なだいこんです。「見たことのない野菜だな」と思い、買って食べてみたらすごく美味しくて!

「江戸東京野菜を知ってほしい」
から 始めた試行錯誤

そこで江戸東京野菜に興味を持ち始めました。それが2011年くらいです。調べてみたら、当時は20種類くらい(現在は48種類)あるんです。さらに調べていくと、それぞれの野菜に背景があるんですね。面白いなと思って、買えるところを調べて何種類か買って食べてみたところ、やっぱり美味しいな、と。

自分が「面白いな」、と思ったように、みんなにも知ってもらいたい。これをうまく紹介し、知ってもらうための何かがあったら…と思いました。

江戸東京野菜の足のはやさと
漬物好きが結びついたピクルス作り

もともと漬物を食べるのが好きだったもので、自分が旅行に行ったときに、ご当地漬物をよく買っていたんです。それで、同じ野菜だし、漬物だったら何かできるんじゃないか…というところから試行錯誤を始めた、という感じです。

江戸東京野菜は、収穫後に長持ちするような品種改良をされていない種ですから、足がはやいんです。ですから加工品として、保存もきくものでないと無理だろうというのもありまして、それでピクルスづくりを独学で始めました。

農家への直談判から
少しずつ広がっていった

ピクルス作りを始めると決めて、まずは栽培農家への直談判から始めました。断られることもありましたが、直接来て買ってくれるならいいよ、というところが数軒あったんです。そうしてだんだんと関係性ができてくると、農家さんから「あの野菜だったらあの農家さんが作っているよ」などと教えてくださるようになりました。すると、その教えてもらった農家さんでも「○○さんから買っているんだったらいいよ」というつながりができてきました。

江戸東京野菜の仕入れは
必ず出向いて関係性を大切に

今でも必ずこちらから出向いて買いに行っています。
野菜を送っていただけばラクになるんでしょうが、農家さんとのかかわりは大切にしたいので直接お会いします。そのときそのときで、たとえば小松菜の茎が細いとか太いとか、葉っぱが大きくなったとか、固定種ならではの面白さが江戸東京野菜にはあるんですね。そうしたお話を伺ったり、畑を見せていただいたり、というのを大切にしたいと思っています。

そうしていると、たとえば小松菜などは冬野菜ですからもう時期的には終わり(取材時は4月中旬)ですが、農家さんのご協力で時期をずらして種を蒔いてくださるなどのご協力をいただいて、今年は息が長く販売できています。

伝統こまつな
『伝統こまつな』 菊花を一緒に漬け込んで、見た目もキレイ。
シナモンがほんのり香る、スイートピクルスです。

思いを伝えたいから、
できるだけ対面販売をしたい

基本は対面販売に重きをおいています。繰り返し買っていただく方がありがたいことに多いので。ただ店舗販売はここ(HIBARIDO・写真参照)で基本的に週1回と、知り合いの店舗で月1回、というやり方です。時間が限られていることと、遠方からギフトとして購入してくださる方のために、インターネットでの販売もしています。ただ、自分ひとりでやっているので、在庫が少なかったり、お時間をかなりいただいたりという感じですが…。

HIBARIDO
この日は東京都西東京市にあるシェアスペース【HIBARIDO】にての販売。
他にもイベント出店や別店舗での出店も。
営業日・時間は東京ぴくるすHP、Instagramで確認してください。

焼き菓子のような可愛らしさを
ピクルス(漬物)に

『東京ぴくるす』のコンセプトは「美味しくてカワイイお漬物」。「美味しい」のは当然ですよね。でも自分がお土産で購入する漬物で「カワイイ」ものって見たことがなくて、どうせなら見た目の部分でも興味を惹いていただきたいと思いました。お漬物でも、焼き菓子のような可愛らしさがあるならば、手土産にも使っていただけるかなという思いが初めからありました。

東京ぴくるす
写真提供:東京ぴくるす ギフトにもぴったり! これを贈られたらうれしいですよね。

めずらしい野菜の妙も
楽しんでもらいたい

今日はちょうどめずらしいものを準備してきました。『早稲田みょうがたけ』のスイートピクルスです。作っている農家さんは一軒だけで、入手できる量が少なすぎて、ネット販売する余力がないので、対面で出せるだけ…。

早稲田みょうがたけ
この日販売していた『早稲田みょうがたけ』 下に入っているのはいちじく!
早稲田みょうがたけを使ったものには『早稲田みょうが&ナタデココの甘酢漬け』も。
こうした組み合わせの妙にもセンスが光ります。
早稲田みょうがたけの葉
おみやげにいただいた、早稲田みょうがたけの葉の部分。
ひと口食べてみると、やさしげなみょうが、という感じ。 おみそ汁にぱらりと入れたらとても美味でした!

春から夏までの間は野菜が手に入りにくいので、クローズする時期があるかもしれませんので、HPなどで確認していただけると…。

夏野菜の時期になったら、八丈オクラという丸オクラをクコの実、カルダモンと合わせたハーブピクルスを予定しています。あと、この夏新商品を発売しようと思っているんですが、「川口エンドウ」という八王子の川口地区で育てられていた在来種の絹サヤエンドウをオリーブと合わせたピクルスを考えています。

漬け汁まで全部使い切れる
商品を心がけて

『東京ぴくるす』では、漬け汁まで全部使いきってもらえるようにとレシピを考えています。たとえば『早稲田みょうがたけ』の漬け汁は炭酸水で割るととっても美味しいですよ。他の商品も温野菜のドレッシングにしたり…。

(その情報、紙などでぜひ欲しいですね、という私、もち子の一言に)  
そうですよね、そこまで準備したほうがいいんですけどね(笑) 今はなかなか手がまわりきらないので、こうして対面でお話したときにお伝えしている、という感じです。
子どもがもうちょっと大きくなって、手が離れていったら、少しずつまた広げていきたいですね。

(2019.4.19 HIBARIDOにて)

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