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神仏×食 ~開運の相乗効果~
Vol.4 興福寺(長崎県)

日本と大陸の文化が
ちゃんぽんされた異空間

お寺と教会の鐘の音が一緒に聴こえてくる街・長崎。神社もあるし、中国ならではの孔子廟だってある、宗教が全てちゃんぽんされて共存している不思議な土地です。
なかでも私がお気に入りなのが、観光スポット「眼鏡橋」の近くにある寺町エリア。ゆるやかな傾斜の坂道に沿って、沢山のお寺が並んでいるんですよ。
さらに個人的に好きでよく参拝しているのが「興福寺」さんです。なんと「いんげん豆」の名前の由来にもなった「隠元(いんげん)禅師」が、日本で初めて開いた「黄檗(おおばく)宗」発祥の寺院なのです!

興福寺
巨大な隠元和尚に見守られて赤門をくぐる

美しく手入れされた芝の境内には、異国情緒を醸し出すソテツの木があり、その実がハート型なことから、恋のお守りにされることも多いのだとか。
木のふもとに座り込んで実を探している女子がいたら、想い人がいると思って間違いないでしょう。

ひんやりした建物の中は
ちょっとトランスめいた雰囲気

大雄本殿
国の重要文化財に指定された「大雄本殿」は貫禄十分!

境内の中央にある大雄本殿は、原爆の影響で一度後ろに傾いた建物が、そのまま手前に引き戻されて現存しているのだとか。計り知れない苦難を乗り越えて、いま私の目の前にあるんですねぇ。
石でできたひんやりとした建物内は、日本のお寺とは全く違う雰囲気です。
異国の音楽のような中国語のお経が流れ、金色の御本尊がライトアップされています。
なんだかトランス状態に入りそうな、不思議な空間だわ~~

氷裂式組子
ヒビが入った氷のような「氷裂式組子」の窓も特徴的

悪そうな連中をお供にした
縁結びの女神も!

大雄本殿の横には「媽祖(まそ)堂」があります。
媽祖様は中国ではお馴染みの女神様で「菩薩」「天后聖母」などと呼ばれているそうです。航海の守護神として有名ですが、こちらのお寺では縁結びの神様としても信仰を集めているのだとか。
媽祖様の両手前にいる「千里眼」と「順風耳(じゅんぶうじ)」という二体の鬼神が、また悪そうだわ~~(笑)。
でも見た目はアレですが、媽祖様をお守りしているそうですよ。
是非、この二体の鬼神にも注目してみてくださいね。

紹介したスポット

■興福寺
長崎県長崎市寺町4-32
http://kofukuji.com/

お寺の庭を眺めて
四季を味わう幸せ♡

興福寺さんでは、参拝後のティータイムもお楽しみの一つ。
寺務所がある庫裡という建物では、お抹茶とお菓子をいただくことができるんですよ。
木魚の原型になったといわれる「魚板」が出迎える入口で、お寺の方に声をかけて、中の和室に案内していただきます(マナーとして靴下は履いておきましょう)。

興福寺(庫裡)
庭に面した縁側席は私のお気に入り♡

ちょうど縁側のところに小さなテーブルが置かれています。
ナチュラルな草花が咲く庭を眺めながら、お茶を楽しむことができるんですよ。

毎週通い詰める
猛者もいるって!?

興福寺さんでお抹茶とともに出されるのは、干菓子ではなくボリュームのある季節のお菓子。市内の和菓子店さんが丁寧に作られているのだとか。
繊細に移り変わる日本の四季を、少しだけ先取りしたお菓子が登場するのですが、なんとその登場頻度は“週替わり”
季節のお菓子に魅せられて、毎週通う猛者もいるそうです。確かに来週のお菓子が気になってしまうよね~~

涼やかなうちわのお菓子
8月に訪れた時には、涼やかなうちわのお菓子が
「うずみ火」のお菓子
冬の頃には温かさを演出する「うずみ火」のお菓子も

お茶を飲み干した後で茶碗の底に隠れた絵柄に気付いたり、夏の打ち水をイメージしてお盆や塗りのお椀に露打ちがかかっていたり、心憎い演出が随所に見られます。
「もっと季節感のある生活を送ろう~」と襟を正せる、素敵な時間です。

紹介したスポット

■興福寺(庫裡)
長崎県長崎市寺町4-32 興福寺境内

http://kofukuji.com/

ABOUT THE AUTHOR

柴尾真理
神社仏閣ライター。書籍「神社仏閣おちゃ巡り」シリーズの著者。各媒体でのコラム執筆、TV・ラジオの出演を通じて、“気分が上がる”寺社の魅力を発信している。分かりやすく、俗っぽい(?)ナビゲートが人気。福岡県在住。
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