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棚田関係者が集う2日間!?
棚田サミットに潜入

和歌山県に移り住んでから、早いもので二年。びっくりするくらいの速さで、時は過ぎています。

最近、パソコン画面を見ているとすぐに目が「しぱしぱ」するようになってきてしまいました。もしや老眼?などと思いながら、思い出すのは日がなパソコンの前で仕事をしていた東京の日々。

目の前に広がる自然を見つめたり、農作業をしたり、そんな田舎での暮らしに慣れてきた証拠が、この「しぱしぱ」なのかな、そんなことを考えたりしています。

玄関を開けたらすぐにこんな景色
玄関を開けたらすぐにこんな景色、というのは本当に贅沢

さて、今回は和歌山県で行われているあるイベントを紹介します。

その名も「和歌山県版棚田サミット」。全国には、様々な形で棚田保全に汗をかいている団体や人物がいらっしゃいます。(前回の記事で、色川での活動を紹介しました)
元々は、年に1回、そんな全国の棚田関係者が集結して交流し合うイベントとして、開催されていた全国版サミット。じつは、その第1回目は、和歌山県で行われていました。

その折、「和歌山県単体でもサミットを開催して、棚田を盛り上げよう!」と始まったのが、「和歌山県版」の棚田サミットだそうです。

毎年会場を変えながら年1回開催されていて、第2回はここ那智勝浦町・色川も会場に選ばれました。当日は、200名近い方が棚田を見に訪れ、今では参加者が300人を超えているようです。

今年で開催は4回目。今回は、8月25・26日の二日間、和歌山県田辺市龍神村というところで開かれました。色川からは僕を含めて四名で参加させてもらい、ブース出店をさせてもらったほか、現地の棚田見学や住民の方との情報交換をしてきました。

棚田を守ろう会で出させてもらったブース
棚田を守ろう会で出させてもらったブースの出店準備

 

棚田関係者や行政職員
ぞろぞろと棚田関係者や行政職員の方が棚田を見学しました

 

休耕田をチャンスに!

棚田といっても、その環境や形は様々です。

現地見学で訪れた温川(ぬるみがわ)区の棚田は、川沿いに作られているところが多く、傾斜が緩やかで、一枚一枚が広い印象。

大型の機械を入れることもできて、管理が比較的しやすいとのことでした。棚田を守ろう会メンバーからは、急勾配の色川の棚田と比べて、「羨ましい」と本音がポロリ。

具体的に参考にできる点は少なかったようですが、そこは同じ棚田を守る者同士。今年の米の出来や天候、水の管理の仕方など、お互いに熱心に情報交換をしていました。

田辺市温川(ぬるみがわ)区の棚田
一枚一枚が広々としている、田辺市温川(ぬるみがわ)区の棚田

どの地域も抱えている課題は同じ。1番はおそらく「担い手不足」です。

手間ひまかかる棚田の農業はなかなか儲からず、全国的に休耕田は増え続けています。そんななかでも、龍神村ではそばの栽培を行ったり、里芋を焼酎の原料にして新たな産品開発を行ったりと、積極的に休耕田の活用を進めていました。

「休耕田が増えていることは、逆手に取ればチャンス」そんな逆転の発想で、情熱的に活動されている方々の話を聞くと、こちらも元気になってきます。

効率化・採算性を重視するからこそ、大手の資本は入りづらい環境でもあるはず。
「ないない」ではなくて、じつはまだまだ資源は眠っていて、そこに住む人たちのアイディア次第なのかもしれません。

知恵と工夫をこらして地域をみつめてみることが、担い手を増やしていく第一歩なのかも。僕も頑張らなきゃ、と気を引き締めながら、広々と気持ちのいい棚田を眺めていました。

温川の集落の風景
温川の集落の風景

 

ABOUT THE AUTHOR

米川智史
1984年北海道生まれ、一応男性。大学進学を機に、憧れの東京へ。考古学者をめざすも挫折して、編集制作会社に拾っていただく。生協のカタログづくりを通じ、じょじょに湧き上がる「東京暮らしへの疑問」と「地に足ついた地方暮らしへの憧れ」が抑えきれなくなり、2015年7月、縁もゆかりもない和歌山県へフィーリングで移住。現在、地域おこし協力隊として活動中。
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