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欧米で大人気のロゼワイン、今夏は日本でもブームとなるか?

数年前から欧米でブームとなっているロゼワイン。フランスでは白ワインの消費量を上回るほどの人気になっており、欧米各国でブームが加熱しています。日本でもこのブームはやってくるのでしょうか。また、日本のロゼワインは? ロゼワインをめぐるトレンドに迫ります。

夏に飲みたいワイン、
日本と欧米でどう違う?

コルク

夏に飲むワインと言うと、思い出すのはやはり、すっきりとしたスパークリングや、酸がキリッとした白ワインを挙げる人が多いかもしれません。

昼下がりに色とりどりのオードブルとともにいただく、きりりと冷えた白ワインは、最高のリフレッシュになります。しかし、欧米各国に目を移すと、白ワインばかりが夏に飲みたいワインではない模様なのです。

実は、この数年でワインの消費の動向はガラリと変わり、あるワインが本場フランスを始め、ヨーロッパやアメリカで、特に夏場は大流行となっていることが取り沙汰されています。

欧米で夏に流行しているもの、それはロゼワイン。
スパークリングでも白でもなく、なぜロゼなのか。そこを掘り下げてみましょう。

ロゼワイン

なぜ夏にロゼワインを選ぶのか

もともと、ワインの本場でもあるフランスでは、初夏から夏にかけてロゼワインをよく飲みます。中でもすっきりとした味わいのプロヴァンスのロゼは大人気。

南仏でヴァカンスを過ごすセレブリティがそうするように、夏の午後によく冷えたロゼワインを飲むのが一般の人の間でも流行になっているようです。

ランチタイムのカフェや、浜辺でのリフレッシュに。カリフォルニアあたりではバーベキューパーティーに。そうしたライフスタイルと密接に関わっているのがロゼワインでもあり、とっつきやすい印象も手伝っていると言えるでしょう。

ロゼワインブーム

どのくらいブームになっているのか

実はフランスでは、ここ10年ほどでロゼワインの流通量が倍増。全体の30%を占めており、なんと白ワインよりも流通量が多くなっているほど人気が加熱しています。

昨年も、フランス産と偽ったスペイン産のロゼワインが大量にフランス国内で販売されていたことがわかり、ニュースになったことがあるほどです。

一昨年くらいからニューヨークで人気になっているのは「フロゼ」というロゼワインを使ったフローズンカクテル。ロゼワインを凍らせたものにフルーツを合わせてミキサーにかけたものが大流行。パーティーでは欠かせないものになっています。

フロゼ

きっかけはインスタグラム

流行の火付け役となっているのは、ここでも登場するインスタグラム。インスタグラムをはじめとしたSNSに馴染んでいる、ミレニアル世代の投稿がブームを牽引していると言えます。特にアメリカではこの傾向が強いようです。

ピンク色のワインは見た目も可愛らしく何より写真映えすることから、ロゼワインの投稿が多いそう。中にはロゼワインやピンクにフィーチャーしたアカウントもあるほど、その人気は絶大。キラキラしたライフスタイルとともに流行も大きくなったと言えるかも知れません。

ロゼワイン

ロゼワインの魅力とは

とはいえ、実際にロゼワインがおいしく楽しめるものでなければ、こんなにブームにはならないはずです。こんなにも親しまれるのは、ロゼワインのもつ意外な多様さと、懐の深さがあるといえるでしょう。

ロゼには製法上3種類の造り方が実はあるのですが、そのあたりは専門的になってしまうので割愛するとして、そのピンクの色合いは、淡い桜色のものから、さくらんぼのような色合いのものまで、濃淡もいろいろあるのをご存知でしょうか。実は色合いで合わせる料理も変わってきます。

フードペアリングが楽しいロゼワイン

フードペアリングが楽しいロゼワイン

辛口ならば、淡い色のものは野菜やシーフードの前菜などに合い、濃い色のものはシャルキュトリーをはじめとした軽めのお肉料理に合わせやすいなど、案外幅が広いのです。

また、中華料理との相性が抜群に良いことでも知られています。ちょっぴり辛い海老のチリソースや春巻や焼売などの点心など、さまざまなものとのペアリングが楽しいワインです。

ロゼワインの流行には、和食の流行も一役買っています。繊細な味わいの和食には、軽やかで上品な味わいのワインがぴったり。

和食が流行することで世界的に料理の味が軽くなったこともロゼワインが食卓に登る機会を増やしていると言えるかもしれません。

ロゼワイン

日本のロゼワイン事情

さて、ヨーロッパから目を移して日本へ。まだまだスーパーマーケットの棚でもロゼを見かけることが少ない日本ですが、全体消費量に占める割合がどのくらいかというと、なんとわずか3%。まだまだブームはおろか、市民権を得ると言うには程遠い状況にあるとも言えます。

しかしながら、日本ワインが空前のブームと言われて久しい昨今、その日本ワインのワイナリーでも、ロゼワインは造っているところも多いのです。品種も幅が広く、甘いものがから辛口のものまでバラエティも豊かなのですが、実はロゼを主軸にしているワイナリーもあるのです。

Cfa Backyard Winery

おすすめの日本ワインのロゼは?

栃木県足利市にある「Cfa Backyard Winery」は、ロゼを主軸にしている珍しいワイナリー。赤ワインや白ワインも造っていますが、特にロゼに力を入れており、個性的でキュートなロゼワインを手に入れることができます。

フラッグシップである「オープニングアクト マスカット・ベーリーA C」は、いちごやピンクグレープフルーツのような香りにハーブのアロマを感じる清涼感のある味わいが特長。

よく冷やせば、鱧の湯引きなどのような繊細な料理から、家庭で作る中華風の炒め物や、バーベキューの焼きそばまで合わせられるような懐の深さもあります。

フジクレールのロゼ

「フジクレール ロゼ」は、あの食品会社のフジッコが山梨県で営む「フジッコワイナリー」で造られているもの。食品会社らしく、クリーンでフレッシュな味わいのロゼです。

濃厚な赤ワインを造る際、比重の軽い一部の果汁を抜き取る「セニエ」という工程があるのですが、このワインは、その抜き取った果汁を使って醸造したもの。

ロゼワインの味わいを表す言葉に「クリスピー」という言葉があるのですが、こちらのワインはまさにそんな言葉がぴったりとくる1本です。

キラキラとした佇まいの、程よい酸味のワインをきりりと冷やしていただけば、中華料理はもちろん、ちらし寿司などにもよく合います。

アルプスワイン

山梨県笛吹市にある「アルプスワイン」は、数々の受賞歴を持つワイナリーで、主力はしっかりした赤や、清涼感のある白ではあるのですが、ロゼも魅力的なワイナリー。

「アッサンブラージュ タイプR ロゼ」は、フジッコワイナリーのワインと同様に、セニエで造っているのですが、前出の2本がマスカット・ベーリーA単体であるのに対し、このワインはブレンド。アッサンブラージュという言葉には、ブレンドの意味もあります。

マスカット・ベーリーAとメルロ、シラー、カベルネ・ソーヴィニヨンといった4種類のぶどうを使用したブレンドのワインは、チャーミングながらも凛とした、スタイリッシュな印象のワインに仕上がっています。

合わせる料理の幅も広く、よく冷やして野菜を使ったオードブルなどといただくもよし、シャルキュトリーや軽い肉料理を合わせるのにも良い1本です。

日本ではまだまだ、人気があるとは言い難いロゼワインですが、SNSや海外でのブームが手伝って、火がつく日は近いのでしょうか。

とりあえず、夏のひとときにきりりと冷やしたロゼワイン、試してみませんか。夏は白ワインやスパークリングしか飲まなかった方も、きっと新たな発見があるのではないかと思います。

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