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初夏までが旬。国産レモンで瓶詰めづくり(その1)

初夏までが旬。国産レモンで瓶詰めづくり
(その1)

日々の食材を買いに行く時に、昔ながらの八百屋さんや果物屋さんをのぞくのが大好きです。その時期にしか出回らないものがずらりと並び、季節を感じさせてくれるから。そんな旬の味わいを切り取るように封じ込めるのが保存食。レシピは昔ながらのものが多く、保存容器や瓶に詰めてから、長持ちするものでは2年も持ってしまうものもあるからすごいなあと作るたびに毎回思ってしまいます。もちろん、保存食を作る習慣があるのは日本だけではなく、世界各国いろいろな形があるのですが、そんなレシピを紐解きながら、旬をおいしく保存してしまいましょう。

枝葉の付いた旬の国産レモンさて、1回目の今回は、初夏までが旬の国産レモンを使って、おいしいお酒を作ろうと思います。その名は「リモンチェッ」。南イタリアで作られている甘いリキュールです。カットして氷砂糖とともに漬ける果実酒もありますが、ひと手間かけるとぐんと美味しいものができあがりますよ。

材料はこちら。

<リモンチェッロ>(1リットル分)

国産レモン……5個
スピリタス……1本(500ml)
砂糖……400g
水……500cc

箱いっぱいの観音山レモン
観音山レモン。傷はありますが品質にはさほど変わりはないのと、こちらのほうがお得。

レモンのお酒なら、使いたいのは国産レモン。国産のレモンはワックスや防カビ剤を使っていないので皮が安心して使えるのもそうですが、みずみずしい果肉と爽やかな香りがワンランク違います。3月を過ぎてしまうと、有名な広島県尾道市の瀬戸田レモンは終わってしまうので、今回は和歌山県の観音山レモンのB品(ちょっと果皮に傷があるもの)を使うことにしました。ダンボール箱を開けると、ふわっと爽やかな香りが広がります。

まず、レモンを水洗いしてよく拭いたら、レモンの皮をピーラーでむきます。白い部分が残っているとえぐみが出てしまうので、薄くむくのがコツです。レモンの香りの成分は、果皮に含まれているので、むいている間ずっとフレッシュないい香り。そんなことを楽しめるのも保存食づくりの醍醐味だったりします。

皮むきされたレモン

ひたすらせっせとむく。いい香りなので案外辛いなと思わないから不思議。

さて、皮をむき終えたら、用意するのはスピリタスと果実酒用の広口瓶。スピリタスはアルコール度数が96%もあるウォッカ。「え、それを飲むの?」と思われる方もいるかもしれないですが、最後に薄めるので心配しなくても大丈夫。ピーラーでむいた果皮を果実酒用の瓶に入れ、スピリタスを注ぎます。

アルコール度数が高いものを使うのは、レモンの皮のエキス分をお酒に移すため。瓶は1週間ほど日の当たらない涼しいところに置いておきます。すると、皮が白っぽくなり、レモンの色がスピリタスに移って黄色くなります。1日に1度くらい、瓶を揺すってあげると良いと思います。

スピリタスに漬けてすぐのレモンの皮。
スピリタスに漬けてすぐのレモンの皮。色が移っているのがわかると思います。

 

さて、1週間経ってエキスが移ったスピリタスにシロップを加えます。これがこのお酒の作り方の一番の特徴かもしれません。

加えるシロップを作りましょう。水に砂糖を加えて火にかけ、砂糖が溶けたら火を止めて冷まします。キッチンペーパーを敷いたザルなどでレモンのエキスをボウルに濾し、シロップを加えます。すると、透明だったエキスが、とろんと濁ったレモン色に変わります。これはレモンの果皮に含まれるオイルが乳化するためなので心配はいりません。きれいな瓶に詰めたらでき上がりです。保存用の瓶は必ずガラス瓶を選んで。ペットボトルなどはレモンのエキスで溶けてしまう可能性がありますので避けてくださいね。
できあがったレモン色のお酒

とろんとしたレモン色のお酒のできあがり。飲めば気分はイタリア。

冷凍庫でキンキンに冷やしたものをストレートで食後にいただくのがイタリア流。口に含めば広がるレモンの香りは、イタリアの島々を思わせてくれます。アルコールに強くない人はソーダで割ってもおいしく飲めますよ。あとはバニラアイスクリームにかけてもさわやかでおいしいです。

え、皮しか使ってない。中の果汁はどうするのかって?そうです。大事な中身を使っていません。その中身を使って作る保存食を次回はご紹介したいと思います。

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