Chewin' Mag.

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和食の未来の扉を開く?
日本食&大人の社交場「不二楼」

全フロアで業態が違う
日本食のテーマパーク

2017年7月7日(金)、東京・日本橋茅場町に新たな業態の和食店「不二楼」がオープンしました。
それに先駆け、オープン前のレセプションに行ってきました。この不二楼は、5階建てのビルの各階でそれぞれ業態が異なり、通常3階から上は会員制・紹介制により許可された人しか入店できません。
しかし、このレセプションでは、そんな未知の世界にも足を踏み入れられるということで、これはチャンスとばかりに行ってまいりました。

不二楼は全国に27店舗の飲食店を展開している株式会社和僑ホールディングス(東京都中央区、会長:高取宗茂)による新たな試みで出店されました。
ビル1棟、全4フロアのうち、1階が炭火焼鳥フロア、2階は鉄板焼き・天麩羅フロア、3階が鮨・日本食フロア、4階が会員制BAR&ラウンジです。
全フロアで業態が異なりますが、全てが集まって不二楼の世界観を作りだす、まるで和食のテーマパークです。5階は非公開となっていますが、ラウンジが続いているのでしょうか、気になるところです。

不二楼の外観写真
全フロアとも宮大工の手による芸術的な作り。
外観もビジネス街にぽっと浮かび上がった、木のぬくもりが溢れる和の世界を体現している。
2階の見事な格天井
2階の見事な格天井。

未来へ繋がる和食の
ひとつの答えがここにある

レセプションでは、高取氏が自らのこのお店にかける思いをお話してくださいました。

「日本の寿司は鮮度や産地にこだわり、冷凍や冷蔵の技術が発達したことにより美味しい寿司を出す店が増えました。確かに美味しいかもしれません。でもそれ止まりですよ。100年後の和食がもし今と同じだったとしたら、これは職人の怠慢です!」

高取さんが熱く語り、その熱意がこちらにもひしひしと伝わってきます。

ボストンで現地の方に『ボストンで食べる寿司と東京で食べる寿司と、どう違うんだ?』と問われ、今が未来の和食への分岐点にあるのではないか、という思いから、新たな和食について考えることになったのだそうです。

鮮度と熟成を使い分ける
研鑽された職人技の数々

その答えのひとつは、新たな技法と伝統技法を融合させ、また、鮮度と発酵を食材に合わせて使い分ける、研鑽された職人の技でした。

大きく掲げていたところでは、熟成鮨。肉を熟成させてから食べるエイジング肉は近年流行していますが、熟成魚はお目にかかったことがありません。鮨の銘店「鮓ふじなが」の藤永大介氏と手を組み、鮮魚を熟成させる技術が堪能できるといいます。他店が真似をしようと思っても、ちょっとやそっとでは真似ができない技術で勝負する、と高取氏。熱のこもったこれらのお話をきいているだけでも、期待度が高まってきます。

さていよいよ、レセプション限定のお料理が運ばれてきました。

  • 鞍掛豆の浸し豆
    鞍掛豆の浸し豆定番のお通しとして出されるのが長野県が産地の「鞍掛豆」。馬に鞍をかけたような模様に見えることからその名がついたこの豆は、味を付けず、素材の味がしっかりとわかる浸し豆という調理法で仕上げられています。
    ホクホクとして歯応えもあり、ビールのあてにぴったり!
  • 四つ身わさび
    食べ比べ一般の鶏も十分美味しいのですが、食べ比べてしまうと、弾力、味の濃さ、香り、すべてが驚き。提携しているわさび田で育った本わさび。これを鹿児島県出水市に会社が提携している養鶏場の鶏と(平飼いで120日以上飼育させたもの)と一般の養鶏場の鶏の胸肉で食べ比べます。
    一般の鶏も十分美味しいのですが、食べ比べてしまうと、弾力、味の濃さ、香り、すべてが驚き。
  • レアレバー
    レアレバー鮮度のよい朝引きのレバーを入念に酒で洗い、血合いを全て取り除き、ベテランの職人が焼き上げます。
    もともとレバーは好きなのですが、とろりとした濃厚なうまみ、ここまでくさみのないレバーに舌鼓をうちました。レバーが苦手な人でもこれはいけるのでは。
  • 水炊きつくね串 水炊きつくね串
    独自配合の鶏ミンチ肉に、濃厚な鶏白湯スープを配合した特製のつくねです。     スープが入っていることで絶妙なやわらかさ、濃いうまみ。
    私はつくねはあまり得意ではないのですが、これだけを食べに来てもいいと思えるほどのおいしさです!
  • 不二楼提携農場飼育鶏のゴロ焼き
    鶏の炭火焼きを柚子こしょうで。
    これも炭火焼ならではの香りとうまみが堪能できる一品です。
  • 穴子と茄子の天扶良
    創業100年の老舗「日本橋きくもと」の元総料理長、現「銀座米村」の総料理長である富田正藤氏の直伝の天ぷら。 粉にドライアイス、独自配合の香り豊かな油を使用することでサックリと軽い衣となっています。
    衣はサクサクですが、中はふんわりと軽い。いくらでも食べられてしまいそうな、不思議な食感の天ぷらでした。

初めて食す熟成鮨の縮された旨みに圧倒

いよいよ3階の鮨フロアへ。高取氏直々に鮨を握ります。

鮨の前にまず出てきたのが「超熟成イカの塩辛」。これは直江兼続の四季農戒書(農業の指導書のようなもの)を紐解いて作ったといいます。
見た目だけでもいわゆるイカの塩辛とは大きく異なりますが、食べてみれば塩辛の旨みをギューっと凝縮させた濃厚な味。
これを食べたら絶対にお酒が欲しくなりますよ…。

超熟成イカの塩辛
ここでしか味わえない、
超熟成イカの塩辛。

さていよいよ熟成ボタンエビ鮨の登場です。
大きさだけでも驚きですが、口に入れたときの、なんとも言えないねっとりとした旨み。
時間が経っても口の中に旨みが残っている、そんなボタンエビは食べたことがありません。

そして、熟成マグロ。丁寧に隠し包丁を入れてある美しさにも目を見張ります。
またこちらも濃厚な旨み。元々やわらかな食感がウリでもあるマグロがさらにやわらかく、口の中でとろけていく。
今まで味わったことのない鮨がそこにはありました。

鮨を握る高取氏
鮨を握る高取氏のあざやかな手つきと
真剣なまなざし。
熟成させたボタンエビ
熟成させたボタンエビ。
見た目も少しねっとりとした感じ。
熟成マグロ鮨。
熟成マグロ鮨。

鮨を堪能した後は、会員制の4階のバーへ。
落ち着いた雰囲気の、ゆったりとした時間が流れるような空間です。

今回味わえるのは、鹿児島県の佐多宗二商店で開発中のよもぎと柚子を使ったジンと試作段階の芋焼酎。
とても風味が強く、まろやかな口当たりです。

ちなみに不二楼で扱う焼酎は佐多宗二商店のもののみで、お店の焼酎の監修を佐多さんにお願いしているのだそうです。
というのも、高取氏が佐多商店の焼酎を味わって「こんなに旨い焼酎があるなら他のところのものはいらない」と直々に佐多宗二商店にラブコールを送り、強力タッグが生まれたのでした。

バーフロア
バーフロアにて。

不二楼のコンセプトは「大人の社交場」です。
1~2階のフロアは料理のクオリティはハイレベルですが敷居は低く、3階の鮨フロアより上は会員限定なので少しばかり敷居が高いですが、何度か通って信用を得て、また来たいと思わせるだけの味と、雰囲気と、和食の未来に思いを馳せるロマンを感じられるお店でした。

不二楼(ふじろう)
営業時間:平日 11:30〜14:00 17:00〜23:00 土日 17:00〜22:00
定休日:不定休(祝祭日/振替休日は休み)
電話番号:03-6661-2657
住所:東京都中央区日本橋茅場町2-9-12

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