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農家と手を携えて
うまいものをつくって売る!
「神楽坂野菜計画」

“プチパリ”とも呼ばれ、街歩きも楽しい神楽坂で気になるお店を見つけました。その名は「神楽坂野菜計画」。日本各地の篤農家さんから届く、産地直送の農産物が自慢の八百屋さんです。

提携農家は年間で約300件
四季折々の旬の味を産地直送

神楽坂野菜計画神楽坂の駅を降りて、神楽坂通りを歩くことわずか1分ほど。間口に色とりどりの野菜が並び、道行く人たちも思わず足を止める店、それが神楽坂野菜計画です。

オーナーの伊東悠介さん出迎えてくれたのは、オーナーの伊東悠介さんです。

お店のスタートは2012年3月。人口が多いことと多種多様なレストランがたくさんあることから神楽坂という地を選びました。
お客さまのほとんどは女性で、30~40代の子育て世代と60代の方が多く訪れます。
個人のお客さまへの販売に加えてレストランへも野菜を卸していて、「神楽坂をはじめ、銀座や日本橋のお店からも発注があり、車で野菜を配達しています」(伊東さん)。
店内に並ぶのは、キャベツや人参といったお馴染みの野菜に加えて、カラフルなトマトやビーツ、キクイモなどめずらしいものも。また、米や豆腐、卵、調味料など、基本的な食材があれこれ揃っています。

農家さんが自ら絞っている人参やりんごのジュースなど、いわゆる6次産業化を後押しする商品にも力を入れています。

手づくりの日本地図に貼られた提携農家店内には、手づくりの日本地図に貼られた提携農家の“顔”が紹介されています。でも、これはほんの一部。「口約束だけですけどね」と伊東さんは謙遜しますが、提携農家は1年を通じて300件におよびます。約40の都道府県の農家とつながっていて、四季折々の採りたての農産物が直接お店に届きます。

お店を始めたばかりの頃、農家探しは伊東さんの飛び込みから始まったそうです。
「北海道のホテルに宿泊したとき、ホテル内のレストランで食べた野菜がおいしくて農家さんを教えてもらい会いに行ったこともあります」(伊東さん)。
次第に農家さんの方から電話やメールなどで売り込みがあるようになり、現在の約300件という数に至りました。

つくる人と食べる人をつなぎ
あたりまえのものづくりを

レモン「食べる人の方を向いて栽培している農家さんは、自然と有機肥料が多くなり、農薬に頼らずに栽培するようになります」(伊東さん)。そんな言葉が表すように、店に並ぶ野菜の多くは、無農薬または減農薬で栽培されたものです。

「お客さまに人気が高いのは、一般的な慣行栽培で育った野菜と比べて味の違いが分かりやすいもの、彩りが豊かなものです」(伊東さん)。

リンゴとトマト慣行栽培で育ち一般的な青果店やスーパーに並ぶものは、日持ちの長さを重視して熟す前に収穫したり、流通のしやすさを考慮して形や大きさを揃えたりといったものがほとんど。

一方、神楽坂野菜計画が大切にしているのは食味です。たとえばトマトの場合、日持ちはしなくても食味の点で納得できる食べ頃のものを収穫してもらい販売しています。
店内様子同店は、農家から届く野菜をただ販売しているだけではありません。お客さまからの要望や反応といった情報をつなぐ役目も担っています。
「お客さまがどういった野菜を欲しがっているかを農家さんに伝えて新しい野菜にチャレンジしてもらうこともあります」(伊東さん)。

また、東京における販売価格の相場など、値付けの相談に応じることも少なくありません。
それらは、確実に売れる野菜を栽培することでつくる人を幸せにし、美味しいものを食べる人に届けることで食卓を豊かにするためです。
「うまいものを一緒につくって売る。これからも生産者とあたりまえのものづくりをしていきたいです」(伊東さん)。
伊東さんなんと伊東さん、苦労の末、会社として農業者の認定を取得して、東京都の多摩地域西部に位置する日の出町で畑の準備をしているところ。
「まずは、葉物野菜から始める予定です。東京都内ということで、収穫したばかりの野菜が店頭に並びますよ。楽しみにしていてください」(伊東さん)。

お店が始まってから今年で7度目の春を迎える神楽坂野菜計画。農家と一緒に都会の食卓を支えながら進化する八百屋から目が離せません。

神楽坂野菜計画

住所:〒162-0825 東京都新宿区神楽坂6-50 フカガワビル1階
電話番号:03-5579-2094
営業時間:10:00~20:00
定休日:なし(お盆と年末年始を除く)
http://yasaikeikaku.com/

ABOUT THE AUTHOR

酒井牧子
新潟県生まれ。ライター、編集者。求人広告の制作会社、編集プロダクションなどを経て2003年よりフリー。
会員誌、会社案内、学校案内、通販カタログ、企業Webサイトなどの制作に携わる。
趣味は散歩。大通りから商店街、路地裏まで歩き、小さな発見を心の栄養にしています。
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