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未来を救う昆虫食のススメ

昆虫が世界を救う?
奥深い昆虫食の世界。

昆虫を食す、昆虫食。おそらく大半の人が「ゲテモノ喰い」と思うかもしれませんが、南米、アフリカ、日本を含むアジアに伝わる食文化のひとつであり、世界では1900種類以上の昆虫が現在でも食されています。

2003年には国際連合食料農業機関(FAO)が食用昆虫に関わる活動「昆虫食プログラム」をスタート。増え続ける人口に対する動物性タンパク源として昆虫食に着目しました。環境負荷が少なく、偏在性と餌料変換率(feed conversion rate)が共に高い昆虫は、世界の食糧危機を救うかもしれないのです。

微笑みの国タイで
ポップに昆虫食を楽しもう。

バラエティ番組で罰ゲームとして昆虫を食べるシーンを目にする事があります。大体がジャングルの中で食されていますが、昆虫食が盛んな国に於いて、昆虫はもっと身近な存在です。言ったら日本人が、コンビニで唐揚げを買うぐらいの身近さです。

南国のリゾート地として人気のタイを例に挙げてみましょう。
昆虫食は元来、タイの東北地方(イサーン地方)の食文化でしたが、昆虫の特性である「低カロリー高タンパク質」が健康志向のバンコクっ子に受け、現在では首都バンコクでも食べる事が可能です。

では、どこで昆虫を食べるか? ゲテモノを取り揃えたアングラなお店?
いえいえ、観光客が集まる繁華街に行けば、フルーツを売る屋台などと一緒に普通に昆虫を売る屋台が並んでいます。

お店に並ぶ昆虫食
手前がバッタ、中央がロットドゥアン(何かしらのイモムシ)、 奥はイナゴかな?

早速、注文してみましょう。
屋台に並んだ複数の昆虫のなかから、食べたい昆虫をチョイスします。単語が分からなくても、指でさせば通じるので大丈夫。
昆虫はあらかじめレモングラスなどの香草と共に素揚げされており、注文を受けるとその場でシーズニング、塩、コショウなどで味付けして袋に詰めてくれます。

お店に並ぶ数種類の昆虫食
屋台を内側から撮影。手前の鍋で味付けをしてくれる。

これをポリポリ食べながら繁華街を歩くもよし、どこかの食堂に入って昆虫をつまみに酒を飲むもよし。

注文しお皿に盛られた昆虫食この日は、屋台にあった虫を「全種類ちょっとずつちょうだい」と言ったので、虫さんのパーティー! みたいなファンタジックな仕上がりになりました。

乗り越えろ、そこに未来がある!
まずは奥歯でかみしめるべし。

さて、気になるお味ですが。正直、虫そのものの味はあまりしません。ですので、おいしいか否かは、屋台の味付けにかかっていると言ってよいでしょう。しかし、おしなべて「おいしい」というのが私の感想です。ただ、食べるなら作りたてを。時間がたつと、どうにも土臭さが勝ってしまっておすすめできません。

おそらく、昆虫食の第一関門は、この見た目から想像される「食べたら何か出てくるの?」的なアレでしょう。しかし、中から何かが出てくるかどうかなんて、噛みしめてしまえば解りません。前歯でちょこっと噛んだりするから、いろいろ怖いだけなんです。私は、躊躇する日本人に必ず言います。

「奥歯だ、奥歯で噛みしめろ!」

昆虫を食すこと、それは見た目で物事を判断しない、大人の入り口なのです。

 

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ちょび
旅と猫と息子を愛する、見た目は子ども、身体は四十路。
「食」と「歴史」「土地」「人」を関連付けて考えるのが趣味。
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