和食には欠かせないみりん、みなさんどのように選んでいますか?実はみりんはお酒の1種で、飲めるものだったりします。みりんの歴史や料理に使っているみりんの分類に触れながら、愛知県碧南市にある杉浦味淋株式会社のみりん造りについてご紹介します。

和食に欠かせない調味料、みりん
みなさんは普段使っているみりん、どんなふうに選んでいますか? また、みりんというとどんなイメージがあるでしょうか。
お料理に照りをだしたり、玉子を焼くときにいれるとふっくらしたり。和食を作る上でかかせない調味料のひとつでもあり、自炊をする人なら家庭に1本はあるのではないかと思います。
そんなみりんについて、今回は紐解いていきましょう。

本来はお酒として飲めるものだった
みりんは本来お酒の分類、酒税法上はみりんに分類されています。アルコール度数も14%前後。実は薬味酒のベースはみりんなのですが、そこからもわかるように「お酒」なのです。お屠蘇にも使いますので、飲めるのは当然のことかも知れません。
起源には諸説ありますが、その歴史は古く、室町時代や江戸時代には、甘いお酒として親しまれていた記録が残っています。
やがて、甘いお酒として庶民に浸透していたみりんは、調味料として使われるようになりました。料理のコクやうまみを引き出すものとして、江戸時代後期には関東のうなぎのタレやそばつゆに使われ、和食には欠かせないものとなっていきました。

さまざまな「みりん」の分類は?
とはいえ、ひとくちにみりんといってもいろいろなものがスーパーには並んでいます。「本みりん」や「みりん」、「みりん風調味料」など、ラベルを見るだけではよくわからないのではないでしょうか。
■「本みりん」とは
この分類、みりんがどのように造られているかが鍵になっています。みりんはもち米を蒸して米麹と焼酎を加えたもろみを造り、タンクで寝かせてから漉す、というのがその醸造方法。こうして出来上がるのが本みりんです。高級スーパーなどで瓶に入って売っているのがこのタイプです。色も茶色っぽく、まさに琥珀色といった感じです。飲むと濃厚な甘みが口いっぱいに広がります。
■「本みりん」として売られているもの
では、私達が慣れ親しんでいる、黄色っぽい透明な「本みりん」はどういうものなのかというと、こちらは醸造用アルコールやブドウ糖などを加えて本みりんをのばしたものになります。何か加えてあると途端に飲むのはどうかと思ってしまう自分が。でもここまでは本みりん。分類が幅広い感じがします。
■「みりん」として売られているもの
さらに、それに塩を加えた「塩みりん」と呼ばれるものがあります。これが「みりん」といってスーパーなどに出回っているもの。塩が入っているので飲用には適さないものになります。さすがにしょっぱいのはちょっと……。
■「みりん風調味料」
「みりん風調味料」は、糖類や香料からできている、あくまで「みりん風」の物。アルコール分も1%と低いものですが、塩が入っています。あくまでもそれっぽいだけで、みりんとは違うものです。
おわかりいただけたでしょうか。 料理に使うのであれば、やはり飲めるものと考えると、自ずと選択肢が狭まるわけですが、本来のしっかりしたものを使ったほうが、味も整えやすいというのが実際のところかも知れません。
