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六本木に茨城の八百屋さんが出現!?
地域住民の食とコミュニケーションを支える「いばらき市」

六本木で開催される朝市があると聞きさっそく取材へ行ってみました。会場は、街のシンボルでもある六本木ヒルズです。茨城弁が飛び交い、茨城産の野菜や果物が並ぶ「いばらき市」をレポートします。
カゴ盛りのトマト売り場

早朝スタートながらかなりの盛況ぶり

土曜の朝6時の六本木ヒルズ。世界に名だたるブランド・ショップの数々はオープンしていませんが、住居棟の一角に位置するイーストコートでは、すでにたくさんの人が買い物を始めていました。

「お客さんが集まったので、早めに開けることにしました」と笑顔を見せるのは、いばらき市の責任者であり仕入れから販売までを総括する谷川公平さんです。

いばらき市の開催は、毎週土曜の朝6時半~8時半ですが、季節や天候、お客さんの集まり具合によって多少開始時間が変わり、取材に行った日は出足が早く6時前に始まったというわけです。「お客さんは近隣の方がほとんどですが、なかには車で買い物に来る人もいますよ」と谷川さん。わずか2時間にもかかわらず、毎回ほとんど売り切れるほどの盛況ぶりです。

茨城産を中心に
各地の旬の味をラインナップ

この日、並んでいたのは、トマトにとうもろこし、きゅうりにかぼちゃ、キャベツ、パプリカ。すいかにメロン、桃にさくらんぼ、ぶどう、などなど。野菜や果物のほかに、生花や米、納豆やこんにゃく、卵、おせんべいなどもあります。

野菜や果物は、茨城の市場で買い付けたもののほか、長年付き合いが続く茨城の契約農家が栽培したものです。また、山形のぶどうや新潟のすいかなど、各地から仕入れた旬の果物が彩りを添えます。

いばらき市は、六本木ヒルズの誕生をきっかけに2003年から始まりました。運営しているのは宍戸国際ゴルフ倶楽部。茨城の宍戸ヒルズカントリークラブなどを持つ森ビルグループの会社です。

「発案したのは、今は亡き森ビルの森稔社長なんですよ。茨城にはおいしい野菜がたくさんあるから、六本木ヒルズに住んでる人たちに届けたいねということで始まりました」(谷川さん)。

お客さんは“買い物7割、
おしゃべり3割”

初代の責任者に続き、いばらき市を取り仕切ってきた谷川さん曰く、「お客さんは、買い物7割、おしゃべり3割」。同じマンションの住人たちが、いばらき市で顔見知りとなり、野菜の調理法の情報交換をしたり、買い物帰りに一緒にお茶をして帰ったりと、ちょっとしたコミュニケーションの場となっています。

もちろん、売り手とのコミュニケーションも盛んです。取材中も、「メロンどれがいいかな?」「網目が細かいのが甘いよ」、「坊ちゃんかぼちゃってどうやって食べたらいいの?」「種とってレンジで8分チンしてみて」といった会話が飛び交います。

しかも、谷川さんを含めた売り手の茨城弁がなんとも味わい深く、いばらき市のなごやかな雰囲気づくりに一役買っています。

「お客さんに『何言ってるかわからないよ』なんて言われたりね(笑)。あえて田舎くさく飾らないようにしています」と谷川さん。茨城の八百屋をそのまま持ってきたような感じを大切にしているそうです。

六本木ヒルズ自治会の人たちが
運営をサポート

野菜の並ぶ市場全体の様子14年にわたって開催しているいばらき市ですが、「長く続けてこられたのは、自治会の人たちあってこそ」と谷川さんは話します。六本木ヒルズ自治会の人たちは、毎週、野菜の袋詰めやレジ打ちで谷川さんたち売り手をサポートしています。いばらき市は、みんなで汗を流しながら手づくりしているものだと感じました。

もろこし(3本200円)、たっぷり食べられるベビーリーフ(この量で150円!)、精米から一貫生産にこだわる菊地煎餅店の揚げせんべい(500円)取材後は、おまちかねの買い物です。この日購入したのは、ぷりっとした粒ぞろいのとうもろこし(3本200円)、たっぷり食べられるベビーリーフ(この量で150円!)、精米から一貫生産にこだわる菊地煎餅店の揚げせんべい(500円)です。

高級食材店の多い六本木で、新鮮で良心価格な野菜やせんべいに出合えるいばらき市は、地域住民でなくとも行く価値ありです。今週の土曜は、ちょっと早起きしてあなたも足を運んでみてはいかがですか。

六本木ヒルズの「いばらき市」

開催日時:毎週土曜6:30~8:30 ※季節や天候などにより多少前後します。
場所:六本木ヒルズ イーストコート特設会場(六本木けやき坂通り レジデンスD棟下)

 

 

 

 

 

ABOUT THE AUTHOR

酒井牧子
新潟県生まれ。ライター、編集者。求人広告の制作会社、編集プロダクションなどを経て2003年よりフリー。
会員誌、会社案内、学校案内、通販カタログ、企業Webサイトなどの制作に携わる。
趣味は散歩。大通りから商店街、路地裏まで歩き、小さな発見を心の栄養にしています。
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